【公開日:2023年3月8日】
「365日24時間お客様のお問い合わせに答えて顧客満足度を向上したい」
「チャットボットを利用して社内の業務効率を上げたい」
という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
チャットボットを利用すれば、365日24時間お客様や社員からの問い合わせに対応できます。また、ユーザーから届いた情報を集め、お客様対応の品質向上に務めることが可能です。
しかし、チャットボットとはどのようなものか具体的にイメージできていない方もいるでしょう。そこで本記事では、チャットボットのメリットや導入方法、導入成功事例を紹介します。チャットボットの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
チャットボットとはテキストや音声を通じて自動的に会話をするプログラム
チャットボットとは、自動で回答を導き出し、会話を行うプログラムです。チャットボットは、業務上で必要とされる製品知識の範囲で、以下の2種類に分けられます。
AIチャットボット
- 機械学習や自然言語処理によるAI開発の技術を用いて、自由入力にも柔軟に応答するチャットボット
シナリオボット
- 主に「ボタン入力」で選択肢から選んだり、特定の単語をトリガーに回答に進む形式のチャットボット
また、「カスタマーサポート」のために導入される顧客向けのチャットボットや、「社内FAQ」や「社内ヘルプデスク」などの社内向けのチャットボットも存在します。
人的コストの削減や顧客接点の増加、検索ニーズとのマッチングを目指している場合は、チャットボットの活用を検討しましょう。
チャットボットを導入する3つのメリット・効果
チャットボットを導入するメリットは以下の通りです。
- 24時間365日無人で対応できる
- 漏れやミスがない回答ができる
- 顧客満足度の向上ができる
チャットボットの活用を検討している方は、確認しておきましょう。
24時間365日無人で対応できる
チャットボットを導入すると、営業時間外でもAIが自動で受け答えしてくれます。24時間従業員を配置するのは、企業としても容易なことではありません。
チャットボットを導入すれば、お客様からお問い合わせの連絡が届いた際、システムで対応後にオペレーターにつなげられるため、業務効率化や一対応あたりのコスト削減ができます。
また、EC販売を行っている企業の場合、曜日や時間問わず顧客の不明点を解決でき、購入手続きまでスムーズに進められることが、顧客の利便性や売上にも影響するため、24時間365日対応できる機能が必要です。
24時間365日対応できれば顧客からの満足度が向上し、リピーター増加への期待が持てるでしょう。
情報の漏れやミスのない回答ができる
企業に問い合わせがあった際、チャットボットを導入すれば、教育コスト無しに人的ミスを発生させない対応が可能です。
人が対応する場合は、業務に入る前の導入段階での教育や、日々更新されていく情報の再インプットや認識確認が必要です。
しかし、チャットボットによる対応では、教育コスト無しに事前に用意された返答ができるため、情報の漏れやミスが発生しません。問い合わせのうち、決まった文言で回答できる部分にチャットボットを配置することで業務効率化が図れるでしょう。
顧客満足度の向上ができる
24時間365日対応できることで、お客様の相談にいつでも対応できるため、離脱率を下げることができ、顧客満足度を上げられることを期待できます。
本来ユーザーの要望や意見からアンケートを取る際、コールセンター側からユーザーに電話を行い情報を得ます。しかし、チャットボットを導入すればユーザーが抱える悩みを日時問わず収集が可能です。
得た情報を基に、サービスや商品の品質向上を行えば、さらにユーザーの顧客満足度を上げられるでしょう。
チャットボット導入企業・自治体の成功事例2選
この章では、チャットボットを導入して、業務の効率化や顧客満足度、受電率など、導入に成功した例を紹介します。
- 株式会社アーバンリサーチ
- 愛知県 小牧師
チャットボットを導入する際、自社で活用するイメージを持つことが大切です。
株式会社アーバンリサーチ
メンズ・レディースウェアなどの企画・販売・製造及び付随事業を展開する株式会社アーバンリサーチでは、各店舗スタッフからの問い合わせを、電話及びメールで受け付けていました。
しかし、問い合わせ対応の負荷や発生するコストに対して課題を感じ、サービスレベルの向上やコストの削減の施策、ユーザー・オペレーター双方の業務効率化を検討していました。
そこで、チャットボットを導入することで、わからないことがあった場合に、担当者に聞く前にまずはAIチャットボットに聞くという運用が定着しました。
また、回答する担当者側も、自由入力欄で質問を受け付けられることで履歴が残るため、多かった質問は、”この質問が多いのでチャットボットに登録してみよう”といった対応が取れるようになり、業務効率化に成功しました。
愛知県 小牧市
愛知県小牧市では、市民が市役所に足を運ばなくても簡易的に問い合わせができるやり方を検討していました。その中で、AI技術を活用した自動応答システムを活用する自治体が増えてきたため、チャットボットに対する情報収集を始めました。
そこで、公式ホームページで「こまき山」というオリジナルキャラクターが行政サービスやごみの分別・出し方について教えてくれるチャットボットを導入したサービスを提供しました。
チャットボット導入後、スマホの公式LINEアカウント上で簡単に質問できるようにしたため、友だち登録者数が増え、予想よりもより多くの方たちにチャットボットを活用してもらえました。
チャットボット導入の費用相場
チャットボットを導入するには、初期費用と月額費用がかかります。ツールによって費用は異なりますが、相場の費用を理解しておくことが必要です。
また、必要な機能を付けるには追加でオプション料金がかかる場合もあります。相場の費用を把握しておけば、スムーズに導入できるでしょう。
初期費用
一般的な初期費用は、無料のサービスから10万円ほどかかるケースが多いです。他にも以下のような料金が挙げられます。
- AI搭載型:30〜200万円
- ルールベース・シナリオ型:無し~50万円(もしくは問い合わせ)
ただし、初期費用が無料の場合は、導入時のツールの使い方や、構築や運用のコツについて、十分なサポートが提供されない可能性があります。
そのため、無料または安価なチャットボットをツール自体の費用のみを比較して導入しても、返って高くつくケースもあります。無料で導入した場合の方が、担当者の調査時間や習熟期間、手戻りや追加の外注費を考慮すると、場合によってはトータルコストとして高額になる可能性もあります。
構築時や運用時に何が必要となるか?を正確に把握したうえで、トータルコストで導入効果の高いサービスを選ぶことが重要です。
月額費用(ランニングコスト)
AI搭載型であれば、月額15〜100万円くらいが相場になります。シナリオ型(ルールベースのみ)は、安価なもので月額5万円以下からとなり、高額になると月額10〜30万円程度です。
おおよその費用をまとめると以下のとおりです。
- AI搭載型:15〜100万円
- シナリオ型:5万円以下~30万円
月額費用の中にチューニングや分析費用、サポート費用などが含まれる場合もあるため、チャットボットを活用する場合は、見積もりの内訳を把握してから選びましょう。
チャットボットの導入方法を7つの手順で解説
チャットボットを導入する手順は以下のとおりです。
- チャットボットを導入する目的を決定する
- チャットボットに求める機能を決定する
- チャットボットの比較をする
- 無料トライアルを実施する
- 社内体制を確保し、フローやマニュアルを整備する
- Q&Aの作成、シナリオの構築をする
- チャットボットを導入する
チャットボットツールを購入しても、導入方法が分からなければ有効活用ができないため、スムーズに利用するためにも手順を覚えておきましょう。
導入する目的を決定する
チャットボットを導入するときは、なぜ活用したいのか、目的を明確にする必要があります。
チャットボットを導入する目的は以下の内容が挙げられます。
- 問い合わせの自動化をしたい
- 問い合わせの難易度を下げ、不明点を解決する行動を増やしたい
- お客様の行動を促進させたい
- 問い合わせ内容に適したチャンネルにつなげたい
- 顧客の不明点を素早く解決することで、コンバージョン率を向上したい
チャットボットを活用するための目的を明確にすることで、遠回りをせずに、課題解決に向けた有効活用ができます。
まずは、もっとも優先されるべきものは何か?について明確な目的を決めましょう。
ツールに求める機能を決定する
チャットボットの活用目的を明確にしたら、ツールに求める機能を決定します。必要な機能は、利用シーンや、解決したい問題によって異なります。そのため、機能が多ければよいわけではなく、多いことで操作性が悪くなるケースもあるため、自社の利用目的のために必要な機能がバランスよく揃っているかを比較することが大事です。
主に必要とされる機能の例は以下のとおりです。
- ボタン選択のみ。自由入力欄無し。(シナリオ型)
- 数種類の質問のみについて、条件分岐して回答に誘導したい。
- AI搭載。自由入力欄あり。(AI搭載型)
- ボタンで表示できる量以上の種類の質問に回答したい。最小の労力で導入や運用をしたい。
- 設置可能箇所(サイト [PC/スマホ]、アプリ、単独利用、LINE等)
- 有人チャット機能の有無
- ITリテラシーに依存しない操作のしやすさ、理解のしやすさ
- 構築を助ける機能
- シナリオ構築の自動エラーチェック
- サイト設置前でも動作確認ができる
- 運用後の改善を助ける機能
- チャットボット公開中のままの編集の可否
- 下書き、編集中の途中保存機能
- 改善のための分析機能
チャットボットベンダーによって重心を置いている機能が異なり、導入できる機能や、担当者にとってのツールの操作性も異なるため、自社の利用目的や、制約条件と照らし合わせて選ぶ必要があります。
ツールを比較検討する
自社に必要な機能要件が固まったら、チャットボットサービスを提供している企業で比較を行います。比較の際は、少なくとも3社以上で検討するようにしましょう。
チャットボットサービスを提供している企業を探す方法は以下のとおりです。
- チャットボットの検索結果で納得感の高い情報提供のあるサービス
- 実物のチャットボットを提供企業のサイトで、事前に試せるサービス
- チャットボットを説明している比較記事を確認する
- 同業他社が活用しているチャットボットを参考にする
複数のサービス提供元を把握し、料金や提供機能の自社とのマッチング度合い、サポートの有無などを確認しましょう。
トライアルを実施する
チャットボットツールを提供している多くの企業は、トライアル期間を設けているケースが多いです。基本的に2週間から1ヶ月程度でトライアルを実施できるので、活用している期間で操作性を確認できます。
また、トライアル期間で利用して他のツールと比較すると、実際の使用感や必要な機能について把握できるため、自社で活用するイメージを持てるでしょう。
トライアルを通して、新たな目的の設定し直しや、活用方法の解像度が上がることも多いため、チャットボットを導入する目的や必要な機能を決定したあとであっても、すぐに購入するのではなく、まずはトライアル期間で試してから選択することがおすすめです。
社内体制を確保し、フローやマニュアルを整備する
トライアルを通じ、自社が導入すべき適切なサービスが絞れたら、購入の手続きとともに社内体制の確保を進めましょう。
必要な体制は、得たい成果やリソース上の制約条件も総合し検討します。
<必要な役割>
- オーナー:1名
- チャットボット導入・運用のプロジェクト進行の責任者
- ボット編集者:1名
- チャットボット構築や各種設定の最終チェックをする実務者
- 素材作成者:1名以上
- Q&Aの応答文の作成や、シナリオの応答文などの、テキスト素材の作成者
- 協力者:1名以上
- チャットボット導入・運用の実務には関わらない協力者
- 導入時に問い合わせ履歴データが残っていない場合に、よくある質問のリストアップを協力してもらうための、現場実務の理解度の高い協力者
- 運用開始後に、チャットボットの改善や業務フローの改善のためのフィードバックをもらう
<社内体制の例>
- 最小の体制:1名+協力者
- 1名で兼務
- 「オーナー」「ボット編集者」「素材作成者」を1名で兼務
- 協力者 1名以上
- よくある質問のリストアップや、フィードバックの協力を依頼依頼
- 1名で兼務
- 推奨される体制:2名以上+協力者
- 2名以上で兼務
- オーナー 1名:「オーナー」「ボット編集者」を兼務
- 実務者 1名:「ボット編集者」「素材作成者」を兼務
- 協力者 1名以上
- よくある質問のリストアップや、フィードバックの協力を依頼依頼
- 2名以上で兼務
- 分析と改善をしっかり進める体制:3名以上+協力者
- 3名以上で、役割はすべて揃える
- オーナー 1名
- ボット編集者 1名
- 素材作成者 1名(カバー範囲や作成量によっては2人以上で)
- 協力者 1名以上
- よくある質問のリストアップや、フィードバックの協力を依頼依頼
- 3名以上で、役割はすべて揃える
体制の整備とともに、フローやマニュアルを整備します。チャットボットベンダーによっては社内展開できるマニュアルやフローの用意がある場合もあるので、確認をしましょう。
Q&Aの作成、シナリオの構築をする
購入するチャットボットツールが決まれば、Q&Aの作成やシナリオ構築が必要です。
販売元によっては、その利用企業における具体的なシナリオ構築の作成例をハンズオンでともに進めてもらえる場合もあるため、導入時のサポート有無や、サポート項目の範囲を確認したうえで利用サービスを決定しましょう。
チャットボットを導入する
Q&A作成やシナリオ構築が整備出来たら、チャットボットを導入します。ただし、チャットボットを導入するには、情報収集から、から実運用の開始まで1〜3ヶ月ほどかかるため、早めの準備が必要です。
翌月からチャットボットを導入したいと検討していても、場合によっては2ヶ月後になるケースも考えられます。人的ミスやコスト削減、お客様対応などで業務効率化にすばやく取り組みたいと考える場合は、少なくとも運用開始までに1ヶ月以上はかかる計算で準備を始めましょう。
また、導入後にシナリオの改善が必要になる可能性もあるので、チャットボットを活用した後の状況も考慮して計画が立てられると、臨機応変に対処できます。
AIチャットボットを導入・運用するなら「hitobo」
アディッシュでは「hitobo」というチャットボットサービスを提供しています。ユーザーの自己解決を促し、問い合わせ対応業務の軽減が可能です。
hitoboのAIチャットボットは、以下の6つの特徴があります。
- 通常1~3ヶ月かかるところ、最短で3日~2週間でチャットボットの導入ができる
- 最小でQ&Aの追加だけで完成する
- シナリオ編集の自動ガイド
- ユーザー投稿の表記揺れにも対応できる
- 追加すべきQ&Aを自動レコメンドしてくれる
- ダッシュボードで状況を細かく分析できる
前述では、導入に通常1〜3ヶ月かかると解説しましたが、hitoboでは最短で3日~2週間から導入ができます。また、AI機能でチャット履歴を分析できるため、チャットボットのスムーズな改善に活用できます。
チャットボットを導入したいと考えている方は、下記リンクより資料をダウンロードできます。自社のお問い合わせ業務にチャットボットを活用したい方は、ぜひ利用してください。
チャットボットで顧客満足度を上げよう
インターネットを通じて商品やサービスの販売を行っているメディア・EC販売、および製造業や流通・小売業においても、、ネット上で24時間、利用者が不明点を解決できる方法があるかないかで顧客の満足度は変化します。
チャットボットを導入すれば24時間365日いつでも社内外の問い合わせに対応できるため、人的コストの削減や業務効率化だけでなく、顧客満足度の向上が期待できます。顧客満足度はリピーターを獲得するために影響が大きい要素です。
サービスの品質向上だけでなく、人的コストの削減や業務効率化、顧客満足度などの付加価値を求めている方は、ぜひチャットボットの導入をしてみてください。