【公開日:2021年3月31日】
今回は、愛知県 小牧市様によるチャットボットhitoboの自治体導入事例のご紹介です。
市民が市役所に来庁しなくても簡単に問い合わせができる方法について、当初は総合コールセンターといった選択肢も含めて広く調査・検討を進められていたそうです。その中で、AI技術を活用した自動応答システムを導入する地方自治体も出てきたたことから、チャットボットの情報収集と検討を進めました。
今回、hitoboを実際に活用することで変化したことや、良かった点について、小牧市役所広報広聴課のご担当者の方にお伺いしました。
市民が簡単に問い合わせができる方法の提供を検討
ーー はじめに、どのような課題感からチャットボットの導入を検討し始めたか?について教えてください。
担当者 「市民満足度の向上のため、市役所に来庁しなくても簡単に問い合わせができるよう、当初は総合コールセンターの導入に向け、調査、検討を進めていました。しかし、導入費及び継続的な経費が高額であり、導入するには費用対効果の面で大きな課題がありました。そんな中、AI技術を活用した自動応答システムを導入する地方自治体が出てきたため、その方面についても情報収集及び検討を進めていきました。」
閉庁後の問い合わせにもチャットボットで応答可能に
ーー hitobo導入後、どのような変化がありましたか?
担当者 「小牧市公式LINEアカウント上で簡単にサービスが利用できるようにしたことで、導入後にLINEの友だち登録者数が増加し、当初想定していたより多くの方にhitoboを利用してもらうことができました。また、24時間365日利用できるため、閉庁後の時間帯の利用も多く、市民の利便性も向上していると考えられます。」
無料トライアルで事前に実際の管理方法を確認
ーー チャットボットに求める要素について検討する際に、どのような点が重要と考えましたか?
担当者 「利用者と私たち管理者、それぞれが使いやすくなる機能を持っているかどうか。また、費用対効果についても比較、検討を行いました。機能については、導入前に無償でチャットボットに触ることができ、実際の管理方法や利用者側の使用感などを確認できたので、安心して導入することが出来ました。」
ーー ありがとうございます。では、数あるチャットボットの中でhitoboの使いやすい点は何かありましたか?
担当者 「頻出する質問を自動的にピックアップしてくれる機能や、利用者とのやりとりの記録をcsvで出力できる機能など、どの業務への関心が高いのかが分かりやすくなっているので、利用者のニーズに合わせた改善がしやすい点がありがたいと思います。」
ーー 最後に何かコメントがございましたらいただきたいです。
担当者 「利用者と管理者、それぞれが使いやすいシステムだと思います。今後もより利便性の高いサービス展開を期待しています。」
ーー 今後もご期待に添えるようなプロダクトを作って参ります。お忙しいところコメントをいただき誠にありがとうございました。
事例のまとめ
DX(デジタルトランスフォーメーション)の声が社会全体で高まっており、自治体においても理想像を描いたうえで、デジタル化や業務改革を進めていくことは非常に大事なこととなっていきます。しかしながら事前の小さな検証の積み重ねを無しに「これが正しい」といった思い込みの方法で、大きなコストをかけて実運用を始めてしまうと、あとから大きな不整合が見つかったり、利用者にとって使いにくいサービスが出来上がってしまうことがあります。
本事例は「今すぐ自動化できることを、小さく素早く運用開始まで進められた」、「運用開始後の改善もしやすい方法を選択できた」自治体のサービス向上および業務の改善の好事例と言えます。
①小さく素早く、今すぐ自動化できることを実行まで持っていくことを目指す
②運用開始前にしっかりと実運用をチェックできる方法を選択する
③その後の技術的な負債や運用的な負債を残さない方法を選択する
自治体においても、これらを踏まえたうえで、デジタル化の実際の経験値を積んでいくことが、その先のより大きなDX(デジタルトランスフォーメーション)へと繋げていく道筋となっていくのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染症への対策など、新たな脅威や考慮すべきリスクの対処にもデジタル化やオンライン化は必要性が増してきています。デジタル化やオンライン化によるサービス向上や業務改善を待ったなしで進めるべき現在の状況下で参考となる自治体の事例です。
関連記事では企業による利用例を紹介しています。社内での質問対応のサービスレベルの向上や業務効率化のために活用した例です。