【公開日:2023年3月10日】
問い合わせ対応を効率化するツールとして「チャットボット」が注目を集めています。しかし、チャットボットを導入することで自社の顧客対応業務を効率化できるのかイメージしづらいという方は多いのではないでしょうか。企業にとって、顧客対応にあたる問い合わせ窓口の業務効率化は長年の課題となっています。AIなどの最新技術の活用は、有人対応の削減に効果的です。
そこで、本記事ではチャットボット導入のメリットを企業と利用者それぞれの視点から解説します。また、チャットボットの導入を成功させるための5つのコツを紹介しますので、効率的な問い合わせ対応を実現したい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
チャットボットとはロボットを活用したテキスト会話ツール
チャットボットとは「文章を使った会話」と「ロボット」をかけ合わせた、自動会話プログラムです。「シナリオ型」と「AI型」の2種類に大きく分けられ、シナリオ型は開発者が設定した選択肢に沿って会話が進みます。
一方、AI型は機械学習や自然言語処理の技術を応用した機能が搭載されており、利用者のメッセージを認識して関連のある情報に案内するのが特徴です。チャットボットの活用先には、以下の例が挙げられます。
- 顧客からの問い合わせ対応
- 社内用のヘルプデスク
有人対応を基本とする問い合わせ業務は企業にとって負担となっており、解決したい課題の1つです。民間企業や自治体など、近年ではさまざまな場面でチャットボットを導入するケースがみられます。業務負担を軽減できるツールとして、チャットボットの活用に注目が集まっています。
【企業側】チャットボットを導入するメリット3選
チャットボットの導入は、企業側にとって主に3つのメリットがあります。
- 人的コストの削減
- 顧客満足度の向上
- サービス品質の改善
チャットボットは自動応答やデータ解析によって、企業の課題を解決することを期待されています。それぞれ順番に解説します。
人的コストの削減
チャットボットの導入で24時間365日の問い合わせに自動で対応できるようになり、人的コストを削減できます。電話やメールの問い合わせ窓口では、多数の似たような問い合わせにすべて有人で対応しています。
単純な質問や頻出の疑問点にチャットボットで回答すれば、大幅な業務効率化が実現可能です。業務を効率化して担当者の割り振りを見直すことで、生産性の向上が期待できます。
顧客満足度の向上
チャットボットを導入することにより24時間体制で質問に回答できるので、顧客満足度の向上が期待できます。利用者のなかには夜間や休日に問い合わせしたいニーズがあるものの、企業にとっては人手を割くのが難しい時間帯です。また「メールの回答に数日かかる」「コールセンターに電話がつながらない」といった対応には、不満を感じる利用者は多いでしょう。
チャットボットでレスポンスよく回答できれば、利用者側の「待たされる不満」を軽減できます。利用者と接する機会の喪失を防ぎながら、ユーザー目線に立った使いやすいサービスの提供につながります。
顧客満足度の向上ができる
24時間365日対応できることで、お客様の相談にいつでも対応できるため、離脱率を下げることができ、顧客満足度を上げられることを期待できます。
本来ユーザーの要望や意見からアンケートを取る際、コールセンター側からユーザーに電話を行い情報を得ます。しかし、チャットボットを導入すればユーザーが抱える悩みを日時問わず収集が可能です。
得た情報を基に、サービスや商品の品質向上を行えば、さらにユーザーの顧客満足度を上げられるでしょう。
サービス品質の改善
チャットボットの運用によって、利用者が感じる不明点や疑問のデータを効率的に収集可能です。課題を的確に見つけ出し修正を繰り返すことで、サービスの改善につながります。
たとえば、商品の購入ページで手順につまずいたまま解消されないと、利用者は離脱してしまうでしょう。利用者のチャット投稿履歴を通じて、購入ページに関する質問が多く寄せられているとわかれば、手順をわかりやすくするなどの対策が取れます。効率的なデータ収集によって、利用者の満足度が高いサービスへと的確に修正できます。
【利用者側】チャットボットを活用するメリット3選
チャットボットの導入にメリットがあるのは、企業だけではありません。利用者にとっても、以下の3つのメリットがあります。
- 早く回答を得られる
- 気軽に質問できる
- 担当者による対応の差がない
それぞれ順番に見ていきましょう。
早く回答を得られる
メールや電話を使った問い合わせは、顧客窓口の営業時間帯のみの対応となり、また営業時間中であっても順番に対応するため、回答までに時間がかかります。チャットボットであれば時間や場所に関係なく、すぐに回答を得られる点が利用者側のメリットです。
チャットボット内に回答へのアクセス方法が集約されているため、利用者は疑問の解決までに必要な手間を最小化できます。いつでも調べられる環境が整っていることで、利用者が問い合わせしやすくなります。
気軽に質問できる
チャットボットを活用すると、ささいな疑問でも気軽に質問できます。たとえば、利用者のなかには以下のような事情で問い合わせをためらう方がいます。
- 質問するべき内容なのか迷う
- 人には話しづらいと感じる
- 営業時間の開始まで待たなければならない
チャットボットであれば、質問内容を他人に見られる心配はありません。24時間体制で質問を受け付けており、自分のタイミングで気軽に質問できます。窓口への問い合わせよりも心理的ハードルが下がり、利用しやすくなるでしょう。
担当者による対応の差がない
チャットボットであれば対応にクオリティの差がなく、安定したサービスを受けられます。問い合わせ窓口の担当者はスキルや経験がことなるため、対応の品質に差が出る場合があります。
なかには疑問点が解決せず、必要以上に時間がかかってしまうケースがあるでしょう。担当者の対応の違いによって差を感じる心配がない点は、利用者にとってのメリットです。
チャットボットを導入する際の注意点【自動化が適さない質問がある】
複雑な文章や特殊な質問は、チャットボットだけで解決できない場合があります。チャットボットの回答は、事前に用意したデータベースの情報から提示されるからです。AI搭載型であっても、開発側がまったく意図しない質問には答えられません。
チャットボットで最終回答することが適さない質問の場合は、問い合わせフォームや電話窓口など、内容に応じて適切なチャネルに誘導できます。利用者側の問題解決に要する負担軽減と、運営側の生産性アップは両立可能です。
チャットボットのメリットを最大化する5つのコツ
チャットボットのメリットを最大化するためには、5つのコツがあります。
- 導入目的を明確にする
- 利用者や担当者が使いやすいツールを選定する
- 専任の担当者を決める
- 有人対応の窓口を併設する
- 効果を検証して適切な改善をする
メリットを最大化できれば、費用対効果は上がりやすくなります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
導入目的を明確にする
チャットボットを導入する前に自社の課題を洗い出し、解決すべきポイントをはっきりさせておくことが重要です。導入の目的を明確にすると、課題解決に適した機能やタイプを選べます。
企業が抱える問い合わせ対応の課題例は、以下のとおりです。
- 24時間体制で顧客からの問い合わせに対応したい
- 社内用にFAQをまとめたい
- 問い合わせの電話がつながらずクレームになる事例を解消したい
- CVRを向上させたい
課題が明確になれば、シナリオ型やAI型のどちらを導入するべきかを判断しやすいでしょう。どのような課題を解決するためにチャットボットを活用するのか、導入前に目的の明確化が必要です
利用者や担当者が使いやすいツールを選定する
機能が充実していても、それを実際に使う利用者や、チャットボットの構築・改善をしていく実務担当者にとって使いづらいチャットボットでは導入の効果は高くありません。利用者や担当者の目線で、使いやすいサービスを選定することが重要です。使いやすいチャットボットを選定するポイントには、以下の例が挙げられます。
- 直感的に操作しやすい
- スマホの画面に対応している
- 導入後にQ&Aやシナリオを気づいたタイミングで追加・編集できる
たとえば、PC画面のみ対応しているチャットボットの場合、利用者がスマホでアクセスすると操作性が悪く使いづらくなる場合があります。またチャットボットの構築・改善をしていく実務担当者にとっては、気づいたときに情報を追加・編集しやすいツールでなければ、チャットボットを改善すること自体に工数がかかってしまいます。利用者と実務担当者がチャットボットのメリットを享受するには、機能の数が多ければ良いわけではなく、機能を十分に活かせるツールを選定することが重要です。
専任の担当者を決める
チャットボットの回答精度の向上には、必要に応じて、導入後のアップデートやチューニングをします。たとえば、シナリオ型であれば問い合わせが多い質問に対し、回答の新規作成や修正が考えられるでしょう。しかし、運用の担当者が決まっていないと、チャットボットの利用状況の管理や分析ができず、改善作業の必要性の有無自体も判断できません。
問い合わせ対応の工数を効果的に減らすためには、担当者を決定して運用や管理を行うことが重要です。改善すべき箇所は改善し、後回しにすべき箇所は後回しにする適切な判断ができる体制にすることで、最小の労力で、最大の効果を出すことを狙えます。
チャットボットで解決しない場合の問い合わせチャネルも併設
チャットボットではなく、問い合わせフォームや有人チャット、電話などで対応したほうが効果的な問い合わせはあります。状況に応じて適切に案内できるよう、ほかの問い合わせチャネルを併設することが効果的です。
よくある簡単な質問はチャットボットに任せ、利用者の状況に応じたヒアリングが必要な問い合わせにはオペレーターが対応する体制が望ましいでしょう。オペレーターの限られたリソースを高度な問い合わせに集中できるため、業務効率化やサービスの品質向上につながります。
効果を検証して適切な改善をする
サービスの品質向上には、データを分析し利用者の問題解決を最大化できるように改善していけることが重要です。チャットボットを通じて取得できるデータが具体的であるほど、改善の道筋がはっきりするでしょう。多く寄せられる質問や解決率を測定し改善すれば、チャットボット導入の効果を上げやすくなります。
「hitobo」では多く寄せられる質問や解決率のデータを数値で表示するなど、AIチャットボットを通じて問い合わせ業務の課題を解決します。問い合わせ業務の改善にお困りの方は、ぜひ「hitobo」の導入をご検討ください。
まとめ
チャットボット導入のメリットは、企業にとっては「人的コストの削減」、利用者にとっては「素早く簡単に回答を得られる」などです。定型の質問対応を自動化できることで、問い合わせ業務の効率化に役立つツールです。また、チャットボットのメリットを最大化するには、定量的なデータ収集と、チャットボットの更新や修正のしやすい編集画面が欠かせません。
「hitobo」では、問い合わせの課題を解決できるAIチャットボットを提供しています。さらに、質問データの分析・改善で質の高い問い合わせ対応の実現をサポートします。問い合わせ業務の改善にお困りの企業は、ぜひ「hitobo」の導入をご検討ください。