【公開日:2023年7月16日】
「ChatGPT」や「生成AI」といった言葉が連日のようにメディアで飛び交うなかで「中小企業でも活用できるのか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。特に中小企業では少数精鋭の限られた人員で、いかに生産性を上げて業務を遂行できるかが競争で勝ち抜くカギです。
そこで本記事では、業務効率化や生産性向上につながる中小企業でのChatGPT活用法を紹介します。ChatGPTが具体的にどのようなシーンで使えるかがイメージできる内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ChatGPTとは?チャットボットとの違いも解説
ChatGPTの具体的な活用方法を知る前に、まずはシステムについて理解しておきましょう。ここでは、ChatGPTの基本的な概要や、チャットボットとの違いを紹介します。
ChatGPTとは
ChatGPTは、米国企業のOpen AIが提供している人工知能(AI)を使用したチャットサービスです。ユーザーがテキストで入力した質問に対して、事前に学習済みの膨大な知識をもとに自然で高度な回答を行うのが特徴です。
ChatGPTは2022年11月に公開され、その回答可能な領域の広さから注目を集め、ユーザーが急増しました。公開から2ヶ月後にはアクティブユーザー数が1億人を突破し、歴史上最速で成長しているサービスと言われました。
GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の頭文字をとった言葉で、Web上の大量のデータなどからの事前学習による文章生成言語モデルを指します。人間の質問に対して、自然な文章でクオリティの高い回答が可能です。
会話以外にもメールや小説の作成などの文章が生成でき、論文の要約も可能です。ほかにも、表計算ソフトの関数作成やプログラミングなどにも対応できます。今後、人間の仕事が奪われてしまうのではと懸念されるほど、応用可能な範囲が広いのが特徴です。
従来のチャットボットとの違い
ChatGPTが従来のチャットボットと違うのは、自然な会話文を新たに生成できる点です。企業でChatGPTを活用する場合は、高度な文章生成・要約の能力を活かして、顧客への返信文作成やマーケティングに用いるテキスト作成などに利用できます。一方チャットボットは、事前に正確な回答内容として確認済みのQ&AによるFAQ対応・商品案内などに役立ちます。
ChatGPT APIを使用して、企業は自社のサービスやアプリにChatGPTをシステム連携できます。API(Application Programming Interface)とは、異なるアプリやシステムを連携させて、一部の機能を共有できるようにすることです。ChatGPTの文章生成や要約などの言語処理の能力を応用した機能を自社サービスに追加でき、さらなるサービスの質向上や業務効率化が実現します。
ChatGPTでできること4選
ChatGPTは得意なことやできることが限られています。自社でChatGPTを活用するために、まずは「どのようなことができるのか」を知っておきましょう。
文章の作成
ChatGPTは文章作成が得意です。ChatGPTを使えば、メールの内容や資料に記載するキャッチコピーなどを簡単に時間をかけずに作成できます。ほかにも、以下のような文章の作成が可能です。
- ブログ記事
- ホームページ内の商品説明
- 広告のコピー
- SNSの投稿内容
- メルマガ作成
ブログは執筆だけでなく、テーマや見出しから作ってもらうことができます。また、文章に限らず、プログラミング言語や表計算ソフトで使える関数の作成も可能です。
プロンプト(依頼文)の例
あなたはプロのコピーライターです。
以下の<製品の説明>を元に最高の広告コピーを10個リストアップしてください。<ターゲット>
ここに製品のターゲット顧客を記載<製品の説明>
ここに自社製品の説明テキストを貼り付ける
文章の要約
ChatGPTを使えば、長い文章の要約を短時間で行えます。誤字脱字の修正や、表現の言い換えにも対応し、指示をすれば難しい論文を小学生でもわかるように書き換えてくれます。多言語を扱えるため、英語の論文を日本語に翻訳して、さらに要約してもらう、といった使い方も可能です。
プロンプト(依頼文)の例
あなたはプロのライターです。
以下の文を小学生でも分かる説明で200文字以内で要約してください。
<要約をする文>
ここに要約したい文章を貼り付ける
リサーチ
ChatGPTは検索エンジンや辞書のようにリサーチに利用できます。検索エンジンで調べた場合、ネット上の膨大な情報がリストアップされ、ユーザー自身で情報の取捨選択を行わなければなりません。一方ChatGPTであれば、すぐに回答がもらえます。複雑な制度や法律など、専門的な内容について知りたい場合も、素早く回答を得られるのがポイントです。
プロンプト(依頼文)の例
あなたはセキュリティリスク対策のプロです。
ChatGPTを企業内で用いた時のセキュリティリスクについてリストアップしてください。
アイデアの提案
何かアイデアがほしいときは、ChatGPTに指示すると提案をもらえます。例えば、1週間の献立や旅行の計画などちょっとしたアイデアから、商品企画や新規事業の内容など企業にとって重要なアイデアまで考えてくれます。
ChatGPTは、人間では把握しきれない膨大なデータをもとにアイデアを出せるため、普通は思いつかないような斬新なアイデアをくれる可能性もあり、うまく活用すれば事業拡大や収益の増大にもつなげられるでしょう。
プロンプト(依頼文)の例
あなたはプロのDX推進担当者です。
ChatGPT API連携システムを用いた業務効率化で
社内の日常業務で有効な施策について、
10個リストアップしてください。
中小企業のChatGPTの活用事例3選
ChatGPTは、実際にどのような業務に活用できるのかをイメージできない方が、いらっしゃるのではないでしょうか。文章の作成はもちろん、実はそのほかの業務にまで活用できるケースがあります。ここでは、中小企業におけるChatGPTの活用事例を3つ紹介します。
社内コミュニケーション
中小企業にとって、円滑な社内コミュニケーションは、職場環境を整え全体の生産性を向上させるために重要です。ChatGPTを活用して以下の業務を行えば、社内コミュニケーションの強化につながります。
- 社内文書の作成
- チームのディスカッション促進
- 情報共有の効率化
- 社内FAQの作成
ChatGPTの得意分野は文章作成です。会議の議事録や報告書、マニュアルなどの社内向け文書の作成を簡単に行えます。このような業務は、日々の仕事に追われる従業員にとって、時間を確保できず後回しにしがちです。ChatGPTの活用で従業員の作業負担を減らし、業務時間の短縮を実現できます。
また、ChatGPTを使ってアイデア出しができるので、チームディスカッションの幅が広がります。ChatGPTによって新しいアイデアが生まれたり、議論内容の問題にいち早く気付けたりと、全体的なパフォーマンス向上が可能です。
さらに、ChatGPTで情報共有のための文書作成を行えば、従業員の主観や感情に偏りすぎない書類を作成できます。社内に正確な情報を共有でき、ミスや誤解が生じる可能性を減らせるでしょう。ほかにもChatGPTによって、社員から頻繁に問い合わせがある質問と、その回答の作成が可能です。このような社内FAQの充実により、迅速な問題解決とヘルプデスク業務の効率化が実現します。
マーケティング
中小企業にとって、限られた予算と人員の中で、効果的なマーケティングを行うのは難しいでしょう。しかし、ChatGPTを使えば以下の業務ができるため、マーケティング活動の強化が可能です。
- 顧客分析
- ターゲットに合わせたホームページ・コンテンツ作成
- 効果的なSNSでの発信
ChatGPTによって顧客の購入履歴や行動データからターゲットを分析でき、より効果の高いマーケティング施策を考えられます。また、ターゲットに合わせたホームページの作成やブログ・メルマガなどのコンテンツ作成も可能です。質の高いコンテンツの提供によって新規顧客にアプローチでき、企業のブランディングにもつながります。
ChatGPTを活用すれば、SNSへ投稿する内容を簡単に作成できます。今やSNSは企業のマーケティングには必要不可欠ですが、毎回投稿内容を考えるのは手間がかかり、ネタ切れになることもあるでしょう。そのような状況でSNS投稿をすべて外注すると、多大なコストがかかってしまいます。そこでChatGPTを使えば、自社に適したSNS投稿内容を簡単に作成でき、企業の認知力アップにつなげられます。
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、顧客満足度向上のために重要視されていますが、中小企業はなかなかコストを割けないのが現状です。ChatGPTによって以下の取り組みが可能となるため、カスタマーサポートの質の向上と従業員の負担削減ができます。
- 自動応答システムの導入
- 外部からのFAQの管理
ChatGPT API連携がされたチャットボットの活用により、顧客からの問い合わせに対して迅速に正確な回答ができます。従来のチャットボットは、FAQに入れるQ&Aの文章を1つ1つ作成する必要がありました。ChatGPT API連携されたシステムではQ&A文を自動生成することが可能です。問い合わせ業務を行う従業員の負担を軽減でき、人手不足問題の解決にもつながります。
ChatGPTを使って自動生成したFAQを「よくある質問」として、チャットボットやFAQシステムを活用してサービスページに設置できます。FAQは、顧客にとって重要な情報源です。顧客はすぐに疑問が解決できて、従業員にとっては問い合わせ対応の時間短縮が実現します。
中小企業がChatGPTを利用する際の3つの注意点
ChatGPTをうまく活用すれば、企業は業務効率化や生産性向上につなげられます。しかし、活用時にはいくつか注意が必要です。ここでは、中小企業がChatGPTを使う際に注意すべき点を3つ紹介します。
正確な情報とは限らない
ChatGPTは学習済みの膨大なデータをもとに文章を作成したり、質問に回答したりするツールです。したがって、学習済みのデータにない情報を求めた場合は、情報の正確性や質問に対する回答の品質が下がるケースがあります。
学習済みのデータや参照する情報が誤っていた場合、間違った情報や古い情報を引っ張ってきて回答する可能性があります。したがって、使用する際には必ず正誤確認を行いましょう。ChatGPTを情報源の1つとして、参考にするにとどめる程度での利用がおすすめです。
最新のデータは反映されない
ChatGPTが学習しているのは、2021年9月までのWeb上のデータです。最新のWeb上のデータは反映されていないため、最近のニュースや今日の天気などを尋ねても回答できません。
そのため、例えば今日の経済や政治に関するニュースの考察を聞くこともできません(有料プランのChatGPT Plus でのみ使用できるブラウジング機能やプラグインを利用した場合を除く)。最新の情報について正確な情報が得られない点には、注意しながら利用しましょう。
一般的な回答しか得られない
ChatGPTは、学習済みの大量のデータを元に回答を生成します。そのため幅広い分野への対応が可能ですが、欲しい情報を明確に質問できていない場合は、一般的・汎用的な回答になるケースが多いです。
ChatGPTに業務上で使用する情報を要求した場合、社内用語や独自のルール・カラーなどはデータに入っていないため、適切な答えを返せないでしょう。ただし、この後ご案内するhitoboでは、ChatGPT APIのシステム連携を通じて、参照情報をChatGPTに送付するしくみがあります。そのため、社内情報に基づいた回答生成が可能です。
中小企業での社内ヘルプデスク業務を効率化するなら「hitobo」におまかせ
hitoboは、社内の問い合わせ業務や顧客対応窓口のよくある問い合わせを効率化できるチャットボットです。ChatGPT APIと連携し、チャットボットが回答するためのQ&Aを自動生成できます。従業員からの質問に対して、担当者が確認済みの正確な回答を、文章生成の待ち時間を発生させずに即時に回答可能です。
また、問い合わせ履歴からもQ&Aの自動作成が可能です。目視による履歴確認と文章作成が不要なため、作業効率化につながります。ユーザーの質問文章の表記揺れや言い換えにも、自社開発のAIエンジンにより対応可能です。問い合わせ業務の負担削減に加えて迅速な問題解決などができるため、業務効率化につながります。
まとめ
ChatGPTは、Open AIが開発した人工知能を使ったチャットサービスです。ユーザーがテキストで入力した質問に対して、事前に学習済みの膨大な知識を元に、自然で高度な回答を行います。従来のチャットボットとの違いは、自然な会話文を新たに生成できる点です。
ChatGPTは文章作成や長文の要約が得意で、メールや説明文の作成や論文の要約などが可能です。また、検索エンジンや辞書のようにリサーチにも活用でき、何かアイデアがほしいときには提案もしてくれます。これらの特徴を活かして、中小企業はChatGPTを社内コミュニケーションやマーケティングに活用できます。
また、カスタマーサポートへChatGPTを活用すれば、大幅な業務効率化も可能です。社内からの問い合わせ業務や顧客対応窓口のよくある質問対応を効率化したいなら、ChatGPT APIが連携されたhitoboをぜひご検討ください。
hitoboは問い合わせ対応履歴からQ&A自動生成。スグにボットに反映可能。
hitoboの場合は、Q&Aを自動生成したあと、そのまま利用中のチャットボットに応答に追加することが可能です。メール、チャット等の問合せ対応履歴(質問や回答の履歴)をアップロードすれば、そこからQ&Aの自動生成が可能です。
以下より、資料のダウンロード及び、問い合わせが可能です。お気軽にご相談いただけたらと思います。