【更新日:2024年5月17日】
こんにちは、hitoboサービス・AI情報担当です。
米国時間2023年11月6日、ChatGPTを提供するOpenAIは、新たな機能として「GPTs(カスタムGPT)」を発表しました。GPTsによって、個々人がChatGPTをカスタマイズできるとして、公開以来注目されています。hitoboでもChatGPTの技術を活用し、Q&Aの自動生成機能を提供するチャットボットサービスを展開しています。これにより、企業の業務効率化に貢献しています。
今回の記事では、GPTsの概要や使い方を紹介します。また、実際にどのように使えるのか、その活用例もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
GPTsとは?ノーコードでChatGPTをカスタマイズできる機能
「GPTs(GPT Builder)」とは、ChatGPTをカスタマイズできる機能です。GPTsを使用することによって、オリジナルのチャットボットを作り、公開ができます。
GPTsは、2023年11月6日(米国時間)に、ChatGPTを開発・提供するOpenAIによって発表されました。現状、GPTsはChatGPTの有料プランである「ChatGPT Plus」でのみ利用可能です。
GPTsで新たなチャットボットを作る際、コーディングの必要はありません。専門的なプログラミングスキルや知識を持っていなくとも、自然言語を入力するだけで気軽に開発ができるのがポイントです。
今まで、ChatGPTの機能を搭載したチャットボットを作るには、API連携が一般的でした。多くの企業や個人が、OpenAIのAPIを活用してシステム開発をしていましたが、今後はGPTsの登場により、手軽にシステム開発が可能になります。
GPTsの3つの特徴
新しい機能であるGPTsには、どのような特徴があるのでしょうか。ここではGPTsをより詳しく理解できるように、3つの特徴を紹介します。
ノーコードでオリジナルのChatGPTを手軽に作成できる
GPTsの一番の特徴は、ノーコードでオリジナルのChatGPTを作成できる点です。ノーコードとは、プログラミングをせずにアプリやWebサービスを開発することです。ノーコードでシステム開発やカスタマイズができる場合、専門的な知識が不要なため、誰でも簡単に扱えるのが最大のメリットです。
GPTsで作りたいツールを簡単に指示し、必要な機能や具体的な機能をテキスト入力で指示していくだけで、手軽にオリジナルのChatGPTが完成します。開発にかかる時間が短く(20分〜30分程度)、開発に莫大な初期費用や利用料がかからない点(発生する費用は有料プラン料金の月額20ドルのみ)、エンジニアの手が不要な点などもメリットとして挙げられます。
開発したChatGPTを共有できる
GPTsで開発したチャットボットは、他のユーザーへの共有が可能です。共有時には、以下の3つの中から公開範囲を設定できます。
- Only me(自分のみ)
- Only people with a link(リンクを知っている人のみ)
- Public(一般公開)
作成したチャットボットは、今後リリースが予定されている「GPT Store」に一般公開できるようになります(OpenAIは「2024年の早い時期」と発表しています)。公開すると、GPT Store上で検索できるようになり、利用人数に応じて収益の獲得が可能になると言われています。
外部サービスとAPI連携できる
GPTsには「Custom Actions」という機能が搭載されています。Custom Actions機能を使えば、外部のデータをAPIで呼び出して、データ取得が可能です。この機能はGPTsでも利用でき、オリジナルのチャットボットを外部サービスと連携して利用できます。
例えば、GoogleスプレッドシートのデータをGPTsで作成したチャットボットに読み込ませて動かすことも可能になります。APIによってさまざまなツールとの連携ができるため、日常業務で活用できるようなツールの作成も可能です。
また、API経由で正確な情報を取得できるため、ChatGPT自体が持っていない知識を元に回答をしたり、最新の情報を反映できることで事実に反する回答(ハルシネーション※)をしたりする可能性を軽減できるでしょう。
※ハルシネーション・・・・・・ChatGPTが事実に反する回答をすること。ChatGPT以外にも、LLMを利用したサービスで発生する可能性がある。学習データに誤った情報が含まれている場合や、学習データでカバーしきれてない回答をするときに発生する。また、回答の仕組みとして、特定の単語の次に続く確率が高い単語を予測して生成するため生じる。
GPTsの基本的な使い方5ステップ
ここではGPTsの基本的な使い方を紹介します。GPTsでチャットボットを作成する具体的な手順を知りたい方はぜひ参考にしてください。
※2024年5月17日に最新のバージョンに更新しました!
【STEP1】GPT Builder を立ち上げる
ChatGPTを立ち上げて、左のメニューの上部にある「GPTを探す」をクリックします。次に「作成する」をクリックすると、作成を補助してくれる GPT Builder が立ち上がります。
【STEP2】チャットボットのタイトルを決める(制作意図を伝える)
どのようなチャットボットを作るのか、「GPT Builder」と「会話形式」で決定していきます。AIから「何を作りたいのか」を尋ねられるため、「●●をしてくれるチャットボットを作りたい」と作成用途に合わせて返答しましょう。
例えば「ブログ記事のタイトルを提案してくれるチャットボット」「新製品のビジュアルイメージを生成するチャットボット」「アプリ作成のプログラミングのコードを提案してくれるチャットボット」などと入力します。
なお、GPT Builderは基本的に英語で返信しますが、「以降の返信を日本語にしてください」と指示すると、日本語で返信するようになります。
ただ、たまに返信に時間が掛かる時があるので、その場合は英語のままの方がスムーズにやり取りができます。
※ 最新のバージョンでは、日本語のレスポンスの遅さの問題は解決されました!
その後、入力内容に応じてAIがチャットボットのタイトルを提案してくれるため、「OK」や「他のタイトル案をください」などと返答して進めましょう。
【STEP3】チャットボットのロゴを決める
タイトル案の次に、AIがチャットボットのロゴを提案してくれます。画像を提示してくるため、変更の必要がなければ「OK」など、肯定の言葉を入力しましょう。イメージと合わない場合は、「作り直してください」などと指示すると、新たなロゴを提案してくれます。
【STEP4】役割や目標、気をつけるべき点を伝える
続いて、役割や目的、AIから避けるべき情報や強調すべき情報など、気をつけるべき点を聞かれるので、指示します。
例えば、「役割はAIに特化したブログタイトルのアイディア出し」「知らない情報には『わかりません』と答えてください」「専門用語はなるべく使わず、簡潔にわかりやすく回答してください」などと伝えると、チャットボットのユーザーとの会話時に反映されます。
ここまでの入力内容によっては、上記のSTEPの項目以外に、「会話のトーン」(「プロフェッショナル」「フォーマル」「親しみやすく」「ユーモアを交えて」)や、「直接的な回答にするか」「答えを導くように回答するか」などの設定も可能です。必要に応じて入力してみてください。
一度で完璧に作成しなくても、後で修正することができますので、まずは気軽に自分だけのGPTを作ってみてください!
【STEP5】GPTの設定を完了する
設定が完了すると、最後に「追加・変更のリクエスト」や「質問」等を聞かれるので、必要であればチャットに入力してください。「アイコンを変更したい」「調整内容を変更したい」など
特になければ、「ありません」を指示しましょう。
完了したら、「作成する」を押すと、公開範囲の設定が出てきますので、必要に応じて選択し、最後に「共有」を押したら完了です!
お疲れ様でした!
なお、作成したGPTは「サイドメニュー」の項目からいつでも利用することが可能です。
【その他】GPTを修正したい
作成したGPTを編集するには、サイドメニュー横の「タイトル」をクリックするとプルダウンメニューが表示されるので、その中から「GPTを編集する」を選択してください。編集画面が表示されます。
作成・編集は以上です。
業務効率化につながるGPTsの活用例5選
GPTsでさまざまなチャットボットが作れるものの、活用のイメージがつかない方も多いでしょう。ここでは、業務での活用が可能な、GPTsで作れるチャットボットの例を紹介します。
スケジュール管理・設定
GPTsで、スケジュールの出力や管理が可能なチャットボットを作れます。例えば、Zapierとの連携によって、Googleカレンダーからスケジュールのデータを取得し、GPTsで作成したチャットボットで利用できます。
利用者が今日の予定を尋ねると「その日のスケジュールを時間単位でテキスト出力する」「ダブルブッキングしている予定を教える」といった機能を持つツールの開発が可能です。GPTsで作ったチャットボットに指示を出して、予定に関するメールを自動で送信するような設定にもできます。
定型的な分析
GPTsで作成したChatGPTに、定型的な分析を依頼することができます。例えば、問い合わせ履歴の中から、件数の多かった問い合わせを順に並べ、分析してくれるチャットボットが例に挙げられます。履歴をテキストで送信すると自動で分析してもらえ、問い合わせ業務の効率化が期待できます。
調査
GPTsで、簡単な調査を依頼できるツールの作成が可能です。例えば、事業の内容を伝えたら、日本国内の同種の事業をしている企業名をネット上から自動で調査し、リストアップしてくれます。
Q&Aのリストアップ
GPTsで、Q&Aのリストアップを自動で行うツールの作成が可能です。チャットボット導入やFAQシステムの構築を効率化できます。自社HPやサービスサイト、商品マニュアルなどを読み込ませ、ユーザーから寄せられるであろう質問と、その質問に対する回答を自動でリストアップしてくれます。
特定のサイトやサービスに関する問い合わせ対応
GPTsで、顧客対応業務やヘルプデスク業務を自動化するツールを作れます。例えば、自社HPやサービスサイトをインプットさせて、自動で回答するツールの作成が可能です。自社サイトにない情報についても回答してもらいたい場合は、FAQやサンプル応答、自社マニュアルなどをインプットさせておくと良いでしょう。
GPTsを利用する際の3つの注意点
GPTsは気軽に利用できる反面、現状は本格的な業務活用にはあまり向いていないとも言えるような利用上の限界や注意点があります。ここでは、GPTsを利用する際の注意点を紹介します。
時間あたりの利用上限がある
GPTsは「ChatGPT Plus」のユーザーしか使えません。また、ChatGPT Plusには、1分あたり最大600回・1日あたり最大100,000回までという利用回数制限があります。
さらに、ChatGPT Plusは、1回の対話セッションにおいて約4,096トークンまでの制限があります。トークンとは、単語や句読点などのテキストの要素です。このトークンの制限を超えると、AIの応答が切れる可能性があります。
作成したオリジナルのChatGPTはChatGPT Plus利用者にしか提供できない
GPTsで作成したオリジナルのチャットボットは第三者に共有できますが、ChatGPT Plusの利用者にしか共有できません。つまり、自分で作成するのも、共有してもらうのも、ChatGPT Plusの利用者しか不可能です。
社外秘情報や個人情報を入力すると情報漏洩のおそれがある
GPTsは、一般ユーザー向けのChatGPTと同じ利用規約が適用されています。一般ユーザー向けの利用規約には、入力データを「開発・改善に使用することがある」と記載されています。入力データが第三者が生成AIを利用するときの回答生成時に表示されることで間接的に情報漏洩するリスクがある点が懸念されています。
GPTsで作成したオリジナルチャットボットも同様で、入力されたデータがAIの学習に使われ、第三者への間接的な情報漏洩につながる可能性があります。そのため、GPTsを使用するときは「公開してもよい情報」や「万が一、生成AIの学習に使われても問題がない情報」のみ入力するようにしましょう。
ChatGPTの技術を問い合わせ対応に活用したいなら「hitobo」の検討を
GPTsは気軽に利用できるというメリットがありますが、ChatGPT Plusのユーザしか使えない点や、時間当たりの利用上限や、1セッション当たりの利用上限がある点、社外秘情報の情報漏洩のリスクなど、業務活用には不利な面も存在します。
そのため、問い合わせ対応を効率化できるチャットボットを使用したいなら、ChatGPT API連携がされたAIチャットボットサービス「hitobo」の活用がおすすめです。hitoboを通じたAPI連携による利用の場合、入力した情報が生成AIに学習されることによる情報漏洩のリスクはありません。
ChatGPTのAI技術を活用して、Q&Aの自動作成や、ユーザーへの回答の自動生成が可能です。ユーザーからの質問をその場で解決したり、または適切な誘導先に賢く振り分けたりと、一次対応の自動化によって業務効率化やユーザーの疑問の即時解決などを実現します。また、AIによって、ユーザーからの複雑な質問や表記揺れにも賢く対応します。
チャットボットの導入で、お問い合わせ業務を効率化したいという方は、ぜひhitoboの導入をご検討ください。
まとめ
GPTs(GPT Builder)は、2023年11月6日(米国時間)に発表された、ChatGPTを特定の目的に合わせてカスタマイズできる機能です。GPTsにより、オリジナルのチャットボットの作成や共有ができます。現状、ChatGPTの有料プラン「ChatGPT Plus」でのみ利用可能です。
GPTsの一番の特徴は、ノーコードでオリジナルチャットボットを作成できる点です。また、作成したチャットボットはChatGPT Plusのユーザーに共有でき、さらに外部サービスとのAPI連携も可能です。GPTsをうまく活用すれば、スケジュール管理や分析・調査、問い合わせ対応などへの有効活用ができます。ただ、利用上限がある点や、情報漏洩のおそれがある点には注意しなければなりません。
hitoboは、ChatGPT API連携がされたAIチャットボットサービスです。ChatGPTのAI技術を活用して、Q&Aの自動作成や、ユーザーへの回答の自動生成が可能で、問い合わせ対応業務を大幅に効率化できます。機能や費用、運用方法などを以下のサービス資料で紹介していますので、興味を持っていただけた方はぜひご確認ください。